「くしゃみや咳で尿が漏れる」「急にトイレに行きたくなって間に合わないことが増えた」といった悩みを我慢していませんか。
尿失禁は40代以降の女性に多く見られる身近な症状ですが、男性も患うことがあります。放置すると、外出・仕事・趣味まで制限されてしまいかねません。
本記事では、尿失禁の種類・原因や検査方法、タイプ別の治療法をわかりやすく解説します。自分の症状を正しく知り、無理なく続けられる対策を見つける第一歩として、ぜひ最後までご覧ください。
尿失禁とは、自分の意思とは関係なく尿が漏れてしまう状態です。くしゃみ・咳をした際にちょろっと漏れてしまう、トイレに急いで行ったが間に合わないなど、日常のささいな動作がきっかけで尿が漏れてしまいます。
40代以降の多くの女性が経験しているものの、「年齢のせいだから仕方ない」「恥ずかしくて病院に行けない」と我慢してしまう方が少なくありません。
尿失禁を放置すると症状が悪化し、外出・仕事・趣味を控えることになりかねないため、早めの対策が必要です。
2026年現在は、症状に合わせた治療法やセルフケアが確立されており、手術以外の選択肢も増えています。少しでも違和感を覚えたら、我慢せずに泌尿器科やウロギネ外来を受診しましょう。
尿失禁には以下の5つのタイプがあり、それぞれ原因・対処法が異なります。
自分の症状に合わないケアを続けても、改善は期待できません。尿失禁を理解することが、適切な対策への第一歩です。
くしゃみ・咳・重い荷物を持ち上げたときなど、腹圧が急激に上昇する際に尿漏れが起こるタイプが腹圧性尿失禁です。女性の尿失禁で最も多いといわれており、50代以降に顕著に増えやすいといえます。
腹圧性尿失禁の主な要因は、尿道や膀胱を支える骨盤底筋のゆるみです。出産や加齢、女性ホルモンの低下などで筋肉が弱くなると、起こりやすくなります。
次のような方は、腹圧性尿失禁を発症する可能性が高いため、注意が必要です。
腹圧性尿失禁の症状は軽い尿漏れから始まることが多く、市販の尿取りパッドで対応している方も少なくありません。しかし、根本原因である骨盤底筋のゆるみをケアしないまま放置すると、徐々に悪化する可能性があります。
尿意を感じたときに突然尿が漏れてしまう切迫性尿失禁は、腹圧性尿失禁と並んで多く見られるタイプです。トイレが極端に近くなり、駆け込むことが増えるので、日常生活に支障をきたす可能性があります。
切迫性尿失禁の主な要因は、以下のとおりです。
女性の場合、骨盤臓器脱によって切迫性尿失禁が引き起こされるケースもあります。骨盤臓器脱を発症すると、膀胱が下がったり、ほかの臓器に圧迫されたりして、意識的な排尿の制御が難しくなります。
膀胱が勝手に収縮する原因がはっきりしないケースもあるので、病院へ相談して治療を受けることが大切です。
腹圧性尿失禁と切迫性尿失禁の両方の症状があるタイプが、混合性尿失禁です。
閉経期の女性に比較的多い尿失禁で、出産や加齢などによる骨盤底筋のゆるみに加え、膀胱の過敏な収縮が重なることで発症します。女性ホルモンの低下や骨盤臓器脱が関与しているケースも少なくありません。
混合性尿失禁は、患者さんによって強く出る症状が異なります。混合性尿失禁が疑われる場合は、泌尿器科やウロギネ外来で検査を受け、病気の要因を正確に把握することが適切な治療のために重要です。
排尿したくてもできない状態であるにもかかわらず、少しずつ尿が漏れ出る場合は、溢流性尿失禁の可能性があります。
溢流性尿失禁は、男性に多く見られることが特徴です。排尿したくても勢いよく出せなかったり、残尿感をともなったりします。気づかないうちに尿が漏れているケースでは、常に下着が湿っているような感覚を抱くことが多いといえます。
以下は、溢流性尿失禁の主な原因です。
溢流性尿失禁は自己判断での対処が難しく、患者さんの症状に合わせた治療が必要です。放置すると膀胱炎といった感染症のリスクが高まるため、「尿が出にくいのに漏れる」と感じたら早めに泌尿器科を受診しましょう。
排尿機能に問題がない方に起こる尿失禁が、機能性尿失禁です。尿道や膀胱に異常はなく、足腰が弱ってトイレまでの移動に時間がかかったり、場所がわからなくなったりすることで尿漏れにつながります。
機能性尿失禁は、以下のような要因によって起こります。
医師との相談も必要ですが、薬だけでの改善が難しく、リハビリ・介護・住環境を含めて対策方法を検討することが重要です。
尿失禁の代表的な検査は、以下のとおりです。
すべてを一度に行うわけではなく、症状に合わせて必要な検査だけを選択します。早めに受診すれば、症状が軽い段階から対策でき、手術を避けられる可能性が高まります。
尿検査は、尿失禁の患者さんに行われる検査の1つです。患者さんの尿を採取し、以下のような含有成分から尿路感染症や尿路結石、膀胱がんなどの有無を確認し、尿漏れの原因がないか探ります。
尿失禁が感染症によって引き起こされているなら、薬剤治療で症状の改善が期待できます。
検査結果は30秒~2分ほどで出るうえ、痛みはともないません。泌尿器科における基本的な検査のため、再診の際にも尿検査を行うことが多いといえます。少なくとも受診前の1時間はトイレを我慢しましょう。
膀胱鏡検査は尿失禁検査の一種であり、尿道や膀胱、前立腺の中を直接確認可能です。膀胱・尿路における炎症や腫瘍、結石の有無を映像でくわしく調べられます。
検査では、管状の器具である膀胱鏡を尿道から膀胱内に挿入し、モニターを見ながら、リアルタイムで様子を確認します。一般的に局所麻酔や鎮静薬の投与をして行われ、所要時間は5〜20分程度です。
軟性鏡の開発により、以前よりも少ない痛みで検査ができるようになりました。ただし、軽い不快感・違和感や尿意をともなうケースがあります。
チェーン膀胱造影検査では、先端に小さなチェーンのついたカテーテルを尿道・膀胱に挿入し、造影剤を入れた状態で、X線を用いて撮影します。腹圧性尿失禁の疑いがある場合に欠かせない検査です。
検査では、安静時や腹圧をかけた状態など、複数回にわたり撮影し、画像を比較して尿道・膀胱の角度や位置を評価します。
検査時間は10分ほどで短く、麻酔入りのゼリーを潤滑剤として使用するので、苦痛に感じるほどの痛みは生じにくいといえます。
膀胱に尿がたまる過程や排尿の状態を数値で確認し、尿失禁のタイプを調べる検査が尿流動態検査です。尿流測定や膀胱内圧測定など、必要に応じて4つの検査を組み合わせて行います。
検査では、細いカテーテルを使って膀胱に生理食塩水を入れたのちに、専用の検査機器を用いて排尿をします。全体をとおして測定する数値は、以下のとおりです。
検査の数によって差があるものの、所要時間は数分~1時間ほどです。ほかの尿失禁検査の結果と総合し、診断や治療方針の決定が行われます。
padテストは、専用の給水シートを使用し、決められた動作や運動を行なったあと、尿の量や尿失禁の頻度を測定する検査です。
水分摂取後に給水シートを装着した状態で、歩行・階段昇降・咳・しゃがむなどを60分間実施します。指定された運動が終わったあと、シートの重さを測定し、漏れた尿量を調べます。
以下のように、腹圧性尿失禁の重症度判定が可能です。
| 漏れた尿量 | 尿失禁の有無・重症度判定 |
|---|---|
| 2.0g以下 | なし |
| 2.1~5.0g | 軽度 |
| 5.1~10.0g | 中等度 |
| 10.1~50.0g | 高度 |
| 50.1g以上 | 極めて高度 |
padテストには、最後に手を洗う動作が含まれています。手を洗ったときに漏れた場合は、切迫性尿失禁が疑われる傾向です。
尿失禁検査の1つである内診台での診察では、尿道や膣の状態を観察します。病院によって差はありますが、泌尿器科の検査は問診や尿検査がメインで、陰部の視診・触診は少なく、必要に応じて行われます。
以下が、内診台で行われる診察のチェック項目です。
特に骨盤臓器脱が疑われる場合に触診が行われ、診断の判断材料にされます。
以下のような尿失禁の症状が見られた場合は、早めに泌尿器科やウロギネ外来を受診することがおすすめです。
「年齢のせい」「恥ずかしい」と受診をためらう方は多いですが、医師に相談すると、症状に合った方法で尿失禁を改善できる可能性があります。早めに受診し、医師による適切な判断で治療を進め、快適な日常生活を取り戻しましょう。
以下の尿失禁のタイプ別に、治療から自宅でできるケアまで、わかりやすく紹介します。
「放っておいても大丈夫だろう」と自己判断せず、医師と相談して治療を進めてください。
腹圧性尿失禁は、以下のような方法で骨盤底筋を鍛えることで症状の改善が期待できます。
スターフォーマーとは、強力な磁気刺激を与え、インナーマッスルを鍛えるためのチェアです。脱衣不要で、椅子に座るだけで骨盤底筋の筋力アップ効果が期待できるので、尿失禁の症状改善が見込まれます。
出力を強くしすぎなければ痛みはなく、1回の治療時間は約20~30分です。
腹圧性尿失禁に悩む女性は、フェミクッション ハピネスを使用し、骨盤底筋のゆるみを改善しましょう。下着の上にはくだけで、骨盤底筋を腹圧から守れ、筋力の維持にもつながります。
着用により骨盤臓器脱の予防を目指せる点も、フェミクッション ハピネスの強みです。
Xホールドは、通常の腹圧性尿失禁ではなく、前立腺を全摘された方のみが使える医療機器です。逆に、前立腺のある方は使えません。
下着の上からXホールドを着用すると、尿道括約筋の収縮を補助できます。
Xホールドの構成品は、腰ベルト・股下ベルト・クッションの3つです。会陰部をシリコン製の柔らかいクッションで圧迫し、股下ベルトと腰ベルトで固定する仕組みです。ベルトはメッシュ素材を使用しているため、夏場でもムレを防げます。
骨盤底筋の筋力アップだけで腹圧性尿失禁の改善が見込めない場合は、手術が検討されることもあります。
切迫性尿失禁は、薬物療法と行動療法を組み合わせることで症状の改善が期待可能です。
薬物療法では、主に抗コリン薬やβ3受容体作動薬などが使用され、膀胱の過剰な収縮を抑え、排尿コントロールを助けます。
以下は、薬物療法とあわせて行われる行動療法です。
骨盤底筋トレーニングのほかに、スターフォーマーやフェミクッション ハピネスの使用によっても骨盤底筋の筋力アップ効果が期待できます。
医師と相談しながら薬物療法と行動療法を併用し、改善を目指しましょう。
混合性尿失禁は、腹圧性尿失禁と切迫性尿失禁の両方にアプローチして治療します。
骨盤底筋トレーニングやスターフォーマー・フェミクッション ハピネスの使用による骨盤底筋の強化・サポートと並行し、薬物療法や行動療法を行います。改善の程度や経過を見ながら尿道スリング手術の実施も検討される傾向です。
患者さんによって大きく異なる症状の表れ方に応じた適切な治療方針を見つけるためにも、医師ときちんと相談をしましょう。
溢流性尿失禁を治療するには、以下のような要因に応じた対応が必要です。
| 溢流性尿失禁の要因 | 治療法 |
|---|---|
| 前立腺肥大症 |
・α1ブロッカーや抗男性ホルモン薬による薬物療法 ・大きくなった前立腺を削る手術 |
| 神経因性膀胱 | 自分で細い管を尿道に入れて尿を出す自己導尿法 |
脳血管・脊椎疾患や糖尿病といった、溢流性尿失禁の原因となっている病気の治療も必要となるので、かかりつけ医との連携も欠かせません。
溢流性尿失禁を放置すると、腎臓への負担につながることもあります。医師と相談し、自身に合った治療方法を実施してください。
機能性尿失禁は、臓器の問題で起きているわけではないため、以下のような対策が必要です。
| リハビリ | 患者さんができる範囲で足腰を鍛える |
|---|---|
| 環境改善 |
・トイレまでの動線を短くする ・「厠」「便所」の張り紙をトイレのドアにつける ・手すりを設置して移動を楽にする ・脱ぎやすい衣類に変える ・定期的にトイレへ誘導する |
「年齢のせい」「認知症だから」と諦めず、適切な対策をすることで日常生活の質を改善できるでしょう。本人だけでなく家族や介護者も一緒に取り組むことが、継続のコツです。
腹圧性尿失禁・切迫性尿失禁・混合性尿失禁でお悩みの女性は、フェミクッション ハピネスをご活用ください。
フェミクッション ハピネスは、骨盤底筋のゆるみに悩んでこられた患者さんのために開発された医療機器です。骨盤底筋のケアにより、快適な日常生活を送れるよう、ぜひ一度ご使用を検討してみてはいかがでしょうか。
フェミクッション ハピネスのご購入は、三井メディカルジャパンのWebサイトや電話・FAXからできます。海外向けサイトもありますので、海外在住のご友人やご家族に紹介する際は、ぜひご参照ください。
c 2019 Association of Microsurgery, Ginza Reproductive Surgery.