リンパ浮腫について、動画でわかりやすく解説しています。
当院は、リンパ浮腫治療の精度向上を目指し、超高周波超音波画像診断装置「Sonosite LX(ソノサイト エルエックス)」を導入しました。
Sonosite LXは2025年12月に発売された新しい医療機器で、リンパ浮腫治療の現場での活用は世界でも先進的な取り組みです。
本記事では、本装置をリンパ浮腫治療の術前診断に活用するメリットを解説します。新しい医療技術がリンパ浮腫治療にどのように活用されているのか関心がある方は、ぜひ最後までご覧ください。

「Sonosite LX」は、従来の超音波装置より高い周波数帯を使用する超高周波超音波画像診断装置です。2025年12月に富士フイルムメディカル株式会社より発売されました。
特に、体の表面に近い部分の構造を、より細かく鮮やかに映し出せることが特徴です。形成外科や、微細なリンパ管・血管などを操作するスーパーマイクロサージャリーといった高度な医療分野で有用だと期待されています。
まずは、Sonosite LXの特徴を詳しく解説します。
超高周波超音波画像診断装置「Sonosite LX」の特徴の1つが、ミクロの世界を鮮明に可視化できることです。
Sonosite LXで使用される20〜46MHzという周波数は、1秒間に約2,000万〜4,600万回も振動する、非常に細かい波です。
エコー検査では、超音波の伝わり方の特性を利用し、検査したい部位によって以下のように周波数を変化させます。
| 検査部位 | 周波数 |
|---|---|
| 深部(腹部の臓器・心臓など) | 低い周波数 |
| 浅い部位(皮下組織・筋肉など) | 高い周波数 |
Sonosite LXは、超高周波で体の浅い部分を観察することに特化しており、微細なリンパ管の検査に適しています。
微細構造を正確に把握しやすいため、スーパーマイクロサージャリーの分野での活用が期待されていることも、Sonosite LXの特徴です。
スーパーマイクロサージャリーとは、太さ0.5mm以下の極めて細いリンパ管や血管を手術する高度な技術です。組織の移植や切断の治療、リンパ液の流れを良くする手術で必要とされます。
手術において、医師は顕微鏡をのぞきながら細いリンパ管・血管や神経を操作します。従来は、手術部位を切開してから、つなげるリンパ管や血管を探していました。
手術前に皮下の状態を詳しくチェックできれば、移植や吻合(つなげること)に適した血管を確認しておけます。Sonosite LXは、高い技術を有する医師が、さらに安全性と精密性が高い治療を提供するための医療機器として有望視されています。
当院では、リンパ浮腫の検査・治療にSonosite LXを導入しました。リンパ浮腫の治療にSonosite LXを活用している施設は、世界的に見てもまだ少なく、日本では当院が初となります。
超高周波超音波画像診断が可能になったことで、患者さん一人ひとりの状態をより詳しく把握でき、精度の高い治療計画を立てやすくなりました。

超高周波超音波画像診断装置を使った検査は、検査部位に適した周波数の音波を当て、反射波をリアルタイムの映像にして体内を確認するエコー検査です。
皮膚の上から「プローブ」と呼ばれる超音波が出る機器を当てて行います。検査したい部位に専用のゼリーを塗り、プローブでリンパ管や周囲組織の状態を観察します。
プローブの表面はなめらかで体に当てたときに痛みはなく、レントゲンのように放射線の影響を気にする必要もありません。一般的に痛みはないので、注射や病院での処置が苦手な方でも、リラックスした状態で受けていただきやすいでしょう。
今までのエコー検査とSonosite LXの大きな違いは、以下のようなリンパ管の状態をより詳細に観察できる点です。
リンパ浮腫治療におけるエコー検査は、患部の皮膚にどの程度水分が貯留しているかや、むくみの進行度を確認する目的で主に行われています。手軽に検査できる一方で、リンパ管の詳しい状態を把握するには追加検査が必要でした。
一般的にリンパ浮腫治療の現場で使われている高周波プローブは、18~20MHz程度です。
しかし、Sonosite LXの46MHzのプローブでは、体の表面から約2.4cmの深さまで観察可能です。浅部から比較的深い部位まで幅広く評価できることも、従来のエコー検査との違いとして挙げられます。
超高周波超音波画像診断装置「Sonosite LX」をリンパ浮腫治療に導入するメリットは、次のとおりです。
リンパ浮腫は、一度発症すると完治は難しく、長く付き合うことが必要な病気です。検査の負担を減らし、1回1回の治療の精度を高めることは、患者さんにとってメリットがあります。

リンパ浮腫治療にSonosite LXを使うメリットの1つが、患部の様子が詳しくわかることです。
浅い部位を詳細に観察することに長けたSonosite LXを使えば、以下のようなリンパ管の状態や走行を細かく把握できます。
従来のエコー検査では確認が難しかった、極細のリンパ管や周囲組織との微妙な位置関係まで、鮮明な画像として捉えられます。
リンパ管がどの方向に伸びているのかや、途中で拡張や変形が見られるかなどもリアルタイムで確認可能です。リンパ浮腫の進行状況や特徴をチェックすることで、より細かい診断につながるでしょう。
Sonosite LXをリンパ浮腫治療に導入するメリットとして、検査にともなう患者さんへの負担が少ないことが挙げられます。
エコー検査はプローブを当てるだけなので、針を刺したり組織を採ったりなど、体を傷つける処置は必要ありません。
日本癌治療学会の診療ガイドラインにおいて、リンパ浮腫の確定診断に有効だとされている検査は、リンパシンチグラフィとICG検査です。ICG検査では、手や足の指の間に薬剤を注射し、リンパ管を流れる様子をカメラで観察します。
もちろん、Sonosite LXがあっても、リンパシンチグラフィやICG検査が必要な場面もあります。しかし、リンパ管の様子を詳しく知る方法の選択肢が増えることは、患者さんの負担軽減に寄与するでしょう。
Sonosite LXは、リンパ浮腫手術の精度向上やリスク軽減に役立つことが期待されます。当院が注力しているLVA(リンパ管静脈吻合術)は、流れの悪いリンパ管を切開して近くの細い静脈とつなぎ、リンパ液の流れる道を作る手術です。
リンパ管の切開・吻合方法は複数あり、近くにある静脈の状態に合わせ、手術中に臨機応変に決める必要がありました。
しかし、検査によって次のような情報がわかっていれば、細かい手術計画が立てやすくなります。
事前の精密な計画立案によって手術時間の想定・治療リスクの軽減が期待できることは、患者さんにとって大きなメリットとなるでしょう。

Sonosite LXを使った実際の診察では、患部にプローブをあてると、モニターに血管やリンパ管の状態がリアルタイムで映し出されます。浮腫のないほうの腕・脚も確認することで、周辺組織やリンパ管の状態の左右差も比較できます。
Sonosite LXは、以下のような操作が音声で行えることも特徴です。
これらを音声で操作できるため、検査中にパネルに触れる必要がなく、良い画像を探しやすくなります。

Sonosite LXの導入により、従来の検査では把握が難しかった微細なリンパ管も観察しやすくなりました。今までは画像上で十分に評価できず、治療の方針を決めにくかった患者さんでも、新たな手がかりが得られる可能性があります。
リンパ浮腫の治療でお悩みなら、ぜひ当院にご相談ください。
当院は、リンパ浮腫に対し、圧迫療法や運動療法などの保存的治療から、LVAのような手術療法まで提供しています。
2025年12月には、日本で初めて超高周波超音波画像診断装置「Sonosite LX」をリンパ浮腫治療に導入しました。患者さんのお悩みに応えるために、技術・設備の見直しと研鑽を重ね、治療の質向上に努めています。
リンパ浮腫の進行を抑える重要なポイントは、早期発見と適切な治療です。
「リンパ浮腫と診断されて今後が不安」「より専門的な検査・治療を受けたい」といったお悩みは、ぜひ一度当院へお聞かせください。
銀座リプロ外科では年間800例を超える精索静脈瘤手術を行っております。中でも永尾光一医師はナガオメソッドにより20年以上、精索静脈瘤手術をしており、その手術数は10,000例程度となります。日本ではまだあまり知られていない診療が多いですが、より多くの患者様に気軽に相談していただければと思っております。
c 2019 Association of Microsurgery, Ginza Reproductive Surgery.